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地魚と酒 あおき 神奈川・辻堂
素材の良さを生かした黒メバルの煮付けや〆鯖など、
辻堂の小体な居酒屋にキラリと光る酒肴が揃う
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扉を開けると、低く流れるジャズ、常連客が集う熱気が迎えてくれた。昨年、会社をリタイアして始めた青木秋雄さん夫婦の小体は店は、ちょっとスナック風な設えだが、置いている日本酒や焼酎が心憎い。藤沢の酒販店「とちぎや」が、この店のために選りすぐった全国の純米酒や焼酎を10種類余り取り揃えている。 どうやら今夜のカウンター客は、焼酎が多いようだ。枝元(なほみ/料理研究家)さんも鹿児島の芋焼酎“佐藤”にするするっと手が伸びている。同じものを飲んでいた隣の男性が、それを見てニヤリとほくそ笑む。黒板にはその日に湘南で揚がったばかりの鯵やカマス、メバルといった魚がずらり。定番メニューには釣りたキャンプで腕を鍛えた自慢の煮豚や〆鯖、煮つけが並ぶ。うれしいのはその値段設定。料理もお酒もほとんど一品500円前後なのだ。これなら毎晩来ても、懐は安泰だろう。 「私たち夫婦二人が食べていければいいんです。うちは“年金居酒屋”ですから」 俳優の柳生博似の店主・青木秋雄さんが、そううそぶく。一人で飲みに来ても、いつの間にか誰かと話が弾んでいる。そんな和気藹々とした雰囲気が、いかにも地元に根付いた店らしい。だいぶ酔いが回ってきた枝元さんも、すっかりジモティの顔になって寛いでいる。 −雑誌『dancyu(ダンチュウ)』2006年6月号より−
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